たこやき話

じぃじ、開店立ち上げを確認

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修行開始してから二度目の水曜日のお話。
前日に先輩から
『開店の立ち上げも教えるから、早目にきておいて』
と言われ、新しく何かを教われる喜びを胸に出勤。
開店の流れを一通り横でレクチャーしていただきながら、その指示通りにこなし、この日の開店立ち上げは終了。
まぁ、一日何度も立ち上げることもないから繰り返し教わることもなかなか難しいので、これは連日分かるまでチャンスを貰えるときに貰おう。
その後ストック用のたこ焼きを数パック焼かせてもらい、いつも通りにたこ焼き用の鉄板を磨いて一日を終える。
相変わらず焼けてはいるが、先輩方の手際、完成品の見た目を比べると著しく差がある。
経験の差と言えばそれまでではあるが、この差をいかに埋めるかは努力の差であろうと思う。
かといって家で練習する機材もなく、材料費を個人でもっても馬鹿にならない。
与えられた時間に与えられた環境で努力する他ないのだろう。
そもそも自宅にその設備があるなら別だが、自ら用意して練習までは流石にしない。
やる気がないわけではない。怠けているわけではない。
ただ、修行として働く時間には密度濃くやる事をやって、それ以外の時間はそれ以外のやる事にあてないと、効率も悪く、そもそも、生活が成り立たない。
修行は長く続けるつもりなので、その間に並行して生活内でお金を貯めるこのともまた、独立に必要な事柄である。
そう俺は思っている為、修行内で全力、修行外で全力、それぞれの場でそれぞれの事を全力で過ごす事がベターであろうと思う。
話はたこ焼きの話しに戻すが、美味しくないたこ焼きとは稀であると考える。
過去に2度ほどそれに当たった事があるが、
一度はバザーのような所で買った物。コレは素人のご夫婦が作っていたもので、味より見た目の印象がよくなかった。
命名するのであれば、
【たこ焼き味の粉物団子】
といった所。
二つ目はパチンコ店に移動販売で来ていたお店。
見た目は普通だが、初めて大好きなたこ焼きという料理を完食出来なかった。我ながら信じられない。
実際にたこ焼きを焼く工程を習い始めて思う事だが、
先輩方の手さばきは見た目にもカッコよく、美味しそうに出来上がる。
食べる前から『職人が作った』感が、より見た目というエッセンスを加える。
料理であり、且つ、その工程を見て楽しめる芸術ともいえる。
(多少オーバーな気もするが、間違いではないと思う)
それに加えて、俺が手際悪く作ってできたたこ焼きがおなじ味だとして、どっちが食べたいかと聞かれると、
ほとんどの人が前者であろう。
俺は『是非食べてみたい』と思われたいが故に、そちら側に行かなければならないなと、
心からそう思った水曜日の修行。