たこやき話

じぃじ、たこを焼ける

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火曜日の修行。たこ焼きマスター1週間の2日目にあたる。

前日の月曜日には、焼く作業を見させてもらい、
その手際の良さ、無駄のなさ、出来上がりのクオリティ、どれをとってもハードルを高く感じたが、
コレが出来なければ先はない。この為の修行であるため、達成したくてたまらない。
ちなみにこの日は前日のうちに先輩から
『朝の立ち上げからみてもらおうと思うから、早めに来てもらえる?』
との事。
もちろんですとも!
他のスタッフさんには一向に馴れる気配がないのだが、仕事で成長すれば仲間に加われるかもしれない。
そうする事でより細かいことを質問しやすくなるし、
周りが忙しくしてるなか、自分だけ蚊帳の外みたいな現象をなくしたい。
単にたこ焼きを覚えること以上に、自分の居場所や今後の修行生活を考えると、喜んで早く来ます。
到着して、エプロンをつけて、いざ尋常にたこ焼き修行へ。
普段なら朝から鉄板とにらめっこであるこの俺だが、
この日ばかりはひと味もふた味も違う!
先輩にも挨拶をし、早速焼いていきます。
先輩ほど手際良くは正直出来ないが、
無駄を少なく、自分のペースで落ち着いてやる分には問題ない。
と、思っていたが、
最初の1つ目からどうも上手く焼けていかない。
とりあえず形にはなったが出来上がりまでの時間と、出来上がりの焦げ目がよわい…
火力だ。
焼き始めまでの鉄板の火力は十分にしておいたが、焼き始め時に自分の手際の悪さを考慮して、少しだけ火を弱めた。
それが予想以上に弱めてしまったようで、焦げ目もつかない上に、中まで火が通るのに時間がかかってしまった。
もう一度挑戦。
鉄板の熱さを再度調整して、いざ。
2度目は無事焼けて、形も焦げ目も悪くない。先輩のオッケーももらい、そのままテイクアウト用にスタンバイ。
さらにもう一つもつくり、こちらもテイクアウト用にスタンバイ。
都合2連続で商品として認めてるもらえた。
そんな中、店内のお客さんからの注文でたこ焼きが入り、先輩が言った。
『焼いて見る?』
俺は思わず、『え?あちらのお客さんのをですか?』と言うと、先輩は頷いた。
『やります』
こんなチャンス逃す訳には行かず、早速調理開始。
盛り付けはテイクアウトとは違うため、まだ教わっていないが、焼き作業にとりあえず集中。
焼き終えて先輩から許可を得て盛り付けを簡単に教わる。
出来上がり。見た目は問題ないが果たして…テイクアウトと違い、味に問題があれば即クレームになってしまうのだが…
その心配はなかった。
その後テイクアウト用にストックしていたものも全て売れ、追加で少し焼いてこの日は終了。
お土産に自分で焼いた駄作のたこ焼きを貰いこの日は帰宅。
限りなくたこ焼き屋感を味わえた、そんな1日だった。